1カ月(1日~末日)の間に窓口で支払った医療費が、所得に応じた「自己負担限度額」を超える場合に、その差額分の還付が受けられるのが「高額療養費制度」です。
また、事前に「限度額適用認定」を受けておくことで、後に還付される金額を予め差し引いて窓口でお支払いを済ませることができます。
特に手術など、医療費が高額になる際には、これらの制度を活用できることが多くなります。
高額療養費制度
1ヵ月(1日~末日)の間に医療機関の窓口で支払った自己負担額が一定額を超えた場合には、「高額医療費制度」の対象となり、一定額を超えた分の金額が、ご加入されている医療保険から後ほど支給されます。 「一定額」は患者様の所得や年齢によって異なります。詳しくは、「自己負担限度額分類」をご覧ください。
高額医療費制度の申請について
窓口で一旦お支払いを済ませ、加入している医療保険の窓口で高額療養費の支給申請書を提出してください。窓口での自己負担額と、自己負担額の上限額の差額が還付されます。 この際、当院で発行する領収書をお持ちになってください。医療保険の窓口で、領収書の添付を求められることがあります。
窓口での一時負担額を減らしたい場合
なお、70歳未満であり、同一の医療機関を受診されている場合には、窓口での負担額を“自己負担の上限まで”とすることができます。後に支給される金額を差し引く形となり、一時的とはいえ窓口で大きな金額を自己負担することを避けられます。 この場合には、治療を受けた医療機関の窓口にて、事前に高額療養費制度の手続きを行っていただくことになります。その際、保険者が交付する「限度額適用認定証」が必要になります。 限度額適用認定証は、加入されている医療保険の窓口で受け取ることができます。国民健康保険に加入されている方であればお住まいの地域の市役所・区役所にて、社会保険に加入されている方であれば勤務先の保険組合にて、それぞれ交付が受けられます。
限度額適用認定
患者様の所得に応じて、医療費が一定額軽減できる制度です。 国民健康保険に加入されている方はお住まいの地域の市役所・区役所にて、社会保険に加入されている方は勤務先の保険組合にて、それぞれ認定証の交付が受けられます。 限度額適用認定証があれば、窓口でのお支払いの時点で、その自己負担額が“自己負担の上限まで”となります。(後ほど高額療養費制度の申請をして還付を受ける必要がなくなります)
自己負担限度額分類
自己負担限度額は、患者様の所得、年齢によって異なります。 「所得区分」からご自身の該当する区分を判断し、「1カ月(1日~末日)の自己負担限度額」を実際に窓口で支払った金額を超える場合に、高額療養費制度の利用が可能になります。
70歳未満の方
区分 | 所得区分 | 1カ月(1日~末日)の自己負担限度額(※) |
---|---|---|
ア | 年収約1,160万円〜の方 健保:標準報酬月額83万円以上 国保:年間所得901万円以上 |
252,600円+(医療費-842,000円)×1% |
イ | 年収約770万円〜約1,160万円の方 健保:標準報酬月額53万円以上83万円未満 国保:年間所得600万円超901万円以下 |
167,400円+(医療費-558,000円)×1% |
ウ | 年収約370万円〜約770万円の方 健保:標準報酬月額28万円以上53万円未満 国保:年間所得210万円超600万円以下 |
80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
エ | 〜年収約370万円の方 健保:標準報酬月額28万円未満 国保:年間所得210万円以下 |
57,600円 |
オ | 住民税非課税の方 | 35,400円 |
※「医療費」とは、保険適用前の10割の費用
70歳以上の方
区分 | 所得区分 | 1カ月(1日~末日)の自己負担限度額(※) |
---|---|---|
現役並み | 年収約1,160万円〜の方 課税所得:690万円以上 |
252,600円 + (医療費-842,000円)×1% |
年収約770万円〜約1,160万円の方 課税所得:380万円以上 |
167,400円 + (医療費-558,000円)×1% | |
年収約370万円〜約770万円の方 課税所得:145万円以上 |
80,100円 + (医療費-267,000円)×1% | |
一般 | 〜年収約370万円の方 課税所得:145万円未満 |
18,000円(年間上限144,000円) |
低Ⅱ | 住民税非課税の方 (「低Ⅰ」以外の住民税非課税の方) |
24,600円 |
低Ⅰ | 住民税非課税の方 年金収入:80万円以下 |
15,000円 |
※「医療費」とは、保険適用前の10割の費用