頭痛と鼻づまりは副鼻腔炎?
頭痛と鼻づまりが続いている場合には、副鼻腔炎を疑う必要があります。
副鼻腔炎とは、副鼻腔に膿が溜まる病気です。蓄膿症とも呼ばれます。
風邪をこじらせてしまって症状がなかなか治まらずに受診してみると、副鼻腔炎を合併しているケースも見られます。
副鼻腔炎は急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎がある
副鼻腔炎には、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎があります。急性副鼻腔炎から慢性副鼻腔炎に移行することもあれば、慢性副鼻腔炎から急性副鼻腔炎を発症する(急性憎悪)こともあります。
急性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎は、鼻周辺の痛みを伴います。風邪から起こることもあれば、慢性副鼻腔炎をベースにしている方に強い感染が起こり発症する(急性憎悪)こともあります。
ウイルスや細菌の感染を主な原因とします。
慢性副鼻腔炎
慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎ほど強い炎症・痛みはありませんが、副鼻腔にずっと膿が溜まっている状態です。
鼻詰まり、鼻水症状が、生活の質(QOL)を大きく低下させます。また、鼻ポリープ(鼻茸)を形成するケースも珍しくありません。
アレルギー、体質、遺伝、免疫の未発達、アデノイド肥大などを主な原因とします。
副鼻腔炎になるのはなぜ?
風邪をひいたときなど、感染によって副鼻腔の粘膜が傷みます。通常はその後ターンオーバーが進み、正常な粘膜へと戻るのですが、このとき、粘膜の腫れなどによって鼻腔と副鼻腔の間の交通路が閉塞され、膿が溜まるようになり、副鼻腔炎が起こります。
主な症状
副鼻腔炎の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 鼻詰まり
- 頭痛
- 頭がぼうっとする
- 粘り気の強い鼻水
- 嫌なにおいのする鼻水
- 鼻の通り道が狭くなったように感じる、息苦しさ
- 鼻周辺の痛み
どんな検査が必要?
顕微鏡や内視鏡による視診、菌検査、CTなどを行います。
CT検査では、レントゲン検査では難しかった、ごく小さな副鼻腔炎、いわゆる「隠れ蓄膿」の発見が可能です。
長引く咳などの風邪症状にお悩みの方は、お早目に当院にご相談ください。
副鼻腔炎の治療法は?
マクロライド系の抗生物質を適量、長期投与します。併せて、ネブライザー療法に取り組んでもらったり、鼻を正しくかむ習慣を身につけていただきます。これだけで症状が大きく改善される方もいらっしゃいます。
これら保存的治療で効果が得られない場合には、手術を行います。副鼻腔に溜まった膿を抜き、膿が溜まらない構造を作ります。内視鏡を用いた低侵襲の副鼻腔手術です。