いびきがうるさい、呼吸が止まっていると言われた方へ
まず、「いびきをかいている=睡眠時無呼吸症候群」ではないことをご理解ください。
いびきは、あくまで睡眠時無呼吸症候群の方が持つことのある症状のうちの1つです。いびきが全く見られなくても睡眠時無呼吸症候群である方もいらっしゃいますし、いびきをしていても睡眠時無呼吸が起こっていないこともあります。
当院では、睡眠時無呼吸症候群が疑われる際には、まずはその原因の特定に努め、効率的な治療をご提案しております。
いびきの原因は?
いびきは、口蓋垂(こうがいすい)、いわゆる「のどちんこ」が咽頭の後ろの壁に打ち付けられることで起こる音です。そしてほとんどのいびきは、口で呼吸しているときに起こります。そのため、口呼吸を鼻呼吸へと移行させることで、いびきを改善・解消することが可能です。
ヒトは本来鼻で呼吸すべき構造・生理を持っていますので、それができていないということは、何らかの原因によって鼻呼吸が阻害されていることを疑う必要があります。
よく見られるのが、鼻中隔弯曲による鼻詰まり、鼻呼吸のし辛さによる口呼吸です。その他、口での呼吸を主体としている方で、肥満傾向がある、口蓋垂が異常に長い場合も、いびきが起こりやすくなります。
※いびきが認められても、睡眠時無呼吸症候群やその他の大きな弊害を伴っていない場合には、経過観察に留めます。ただ、身体の健康にとっては、鼻呼吸を身につけておくに越したことはありません。鼻詰まり症状を解消することで、鼻呼吸へと移行しやすくなります。
呼吸が止まるのは睡眠時無呼吸症候群
気道を通る空気の流れが10秒以上停止することを「無呼吸」、それが睡眠時に繰り返され睡眠を阻害するのが「睡眠時無呼吸症候群」です。
高血圧、心疾患、糖尿病、脳卒中・脳梗塞といった合併症のリスクが上昇する他、日中の突然の猛烈な眠気により、日常生活の支障をきたします。中には、大きな事故などにつながるケースも見られます。
どんな検査をするの?
ご自宅で受けられるスクリーニング検査(簡易検査)の結果を見て診断します。より高度な検査が必要な場合には、睡眠時無呼吸症候群を専門的に扱う医療機関をご紹介します。
いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療法は?
いびきが認められても、睡眠時無呼吸症候群やその他の大きな弊害を伴っていない場合には、経過観察に留めます。
いびきの有無にかかわらず、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合には治療が必要です。口呼吸をしている方で鼻中隔の弯曲が見られる方には、まず鼻中隔矯正術を検討します。鼻呼吸へと切り替えるだけで睡眠時無呼吸が解消されることもあります。
鼻での呼吸を主体としているにもかかわらず睡眠時無呼吸症候群である場合には、CPAPと呼ばれる装置を使った治療(CPAP療法)を行います。また、肥満傾向のある方は、バランスの良い食事と運動でダイエットに取り組んでいただく必要があります。
CPAP療法とは
睡眠時、CPAPと呼ばれる装置からマスクを通して気道に空気を送り続け、無呼吸を防止する療法です。装置一式はレンタルが可能であり、ご自宅にて治療が可能です。