アレルギー性鼻炎・花粉症の場合どんな手術をするの?
アレルギー性鼻炎に対する内服薬・点鼻薬の使用、舌下免疫療法などで十分な効果が得られない場合には、鼻腔粘膜焼灼術(レーザー治療)を行います。
それでも改善が見込めない場合には、「粘膜下下甲介骨切除術」とその延長線上にある「後鼻神経切断術」を行います。
鼻腔粘膜焼灼術(レーザー治療)
手術内容
浸潤麻酔をした上で、炭酸ガスレーザーによって鼻腔の粘膜を収縮させ、その過敏性を抑えることで症状を改善します。浸潤麻酔とは、麻酔液を浸したガーゼによる麻酔処置です。
手術の流れ
鼻腔粘膜に浸潤麻酔をかけ、炭酸ガスレーザーを照射します。粘膜を収縮させ、アレルギー物質に対する過敏な反応を抑えます。
麻酔に5分、片鼻に5分(両鼻は10分)で終了します。
効果
1~2週間は、粘膜にかさぶたが形成され、一時的に詰まった感覚が残りますが、その後かさぶたが剥がれ落ち、新しい粘膜が現れると効果を実感していただけます。週を空けて2回、3回と行う場合もありますが、多くの方が1回か2回で治療を終了されています。(中には1回で効果を実感される方もいらっしゃいます。)
鼻腔粘膜焼灼術(レーザー治療)でよくあるご質問
レーザー治療は何歳から受けることができますか?
15歳以上で、身体の発達が十分に進んでいる方であれば、レーザー治療を受けていただけます。
これは、成長するに従ってアレルギー反応が治まっていくケースがよく見られるためです。また、身体と一緒に鼻の中の構造も成長しますので、鼻腔が広くなり、自然と鼻詰まり症状が改善することもあります。
レーザー治療の時間はどのぐらいですか?
浸潤麻酔に5分、片鼻に5分(両鼻は10分)が目安です。
レーザー治療後に出血や痛みはありますか?
多少の出血はありますが、鼻を洗う程度で対応できる量です。
ほとんどの場合痛みはありませんが、念のため鎮痛剤等を処方します。
アレルギー性鼻炎が再発するたびにレーザー治療を受ける必要がありますか?
効果を持続させるためには、再発のたびにレーザー治療を行うのも一つの方法です。一般的に1年ごとと言われていますが、2~3年効果が持続する方もいらっしゃいますので、それほど頻繁に行うことはありません。
短期間で再発を繰り返す場合には、粘膜下下甲介骨切除術、後鼻神経切断術を検討するのも一手です。
粘膜下下甲介骨切除術
手術内容
下甲介粘膜の下にある骨を除去することで、鼻腔を拡大する手術です。
手術の流れ
局所麻酔下で、下甲介粘膜に切開を加え、粘膜を残したまま中の骨を取り除きます。
麻酔に5分、手術は30分程度で終了いたします。
効果
3~4週間後から、効果を実感していただけます。特に、鼻詰まりに高い効果が期待できます。
後鼻神経切断術
手術内容
下甲介の奥側にある神経(後鼻神経)のうち数本を選定して切断する手術です。アレルギー物質への過剰反応の抑制が期待できます。
ほとんどの場合、粘膜下下甲介骨切除術は後鼻神経切断術とセットで行われます。アレルギー性鼻炎の治療における、最後の手段とも言える手術です。
手術の流れ
局所麻酔下で、下甲介粘膜に切開を加え、後鼻神経のうちの数本を安全に切断します。
麻酔に5~10分、手術は30~45分で終了します。
効果
3~4週間後から、効果を実感していただけます。特に、くしゃみ、鼻水に対して高い効果が期待できます。